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机の下に、サイコロが散らばっていた。
悲しくて悲しくて、ただ涙をこらえて散らばったサイコロを拾い上げる。
何度も何度も、拾い上げては机の上に置き、しかし再び見ると机の上には何も無い。
ただ、机の上に置いてある紙に書かれたマス目が埋まってゆく。
そのマス目は凄く少なく、少ないはずなのに・・・・・・。
何度拾っても一向に埋まらない。
空白が埋まらない。
床に散らばったサイコロも、これで最後だと思ってもう一度見ると、まだ何個かのサイコロが散らばっている。


サイコロの色は多種多様、しかし一度に散らばっているのは必ず一色で同じサイコロ。
彫られているモノも多種多様、数字かと思えば英字、ひらがな、カタカナ。


かき集め、両手の上に数個のサイコロを乗せて上半身を上げる。


だけど、何度も沸いてくるサイコロも、何度も消えるサイコロも気にはならない。
気にしている余裕も無い。


ただ悲しくて涙をこらえるのに精一杯で、そんなことに疑問は持たないし持つ余裕が無い。
頭の中は悲しみで埋め尽くされ、体全体を痺れさせる悲しみがあふれ出さないよう必死にこらえる。


教室に居るはずなのに、埋め尽くされた頭ではそれも認識できない。
周りに誰かいたような気がするけど、それも認識できない。
悲しみに満たされた頭では、机と・床のタイルと・そして自分の手のひらしか認識できない。
他は真っ白。認識できないから真っ白。
涙をこらえ、悲しみを紛らわすように何度も何度も机と床を往復する。
座り込んだまま、上半身を何度も上下させる。


確か最初は、うっかり机の上に並べたサイコロを腕がかすめて床に落としてしまったはずだ。
そのかなり前からずっと悲しくて、ただひたすら机の模様を見つめていたはずだ。
帰ろうと思って机の横の鞄を取ろうとした時に、綺麗に並べられたサイコロが散らばったはずだ。


悲しくて悲しくて、ただ涙をこらえて散らばったサイコロを拾い上げる。
何度も何度も、拾い上げては机の上に置き、しかし再び見ると机の上には何も無い。
ただ、机の上に置いてある紙に書かれたマス目が埋まってゆく。
そのマス目は凄く少なく、少ないはずなのに・・・・・・。
何度拾っても一向に埋まらない。
空白が埋まらない。
床に散らばったサイコロも、これで最後だと思ってもう一度見ると、まだ何個かのサイコロが散らばっている。


そして、床にはう様にして机の下を覗き込んみ、
最初に拾い上げたはずの、白地に黒の点が彫られたごく普通のサイコロが床に散らばってるのを見た時、
私は教室を後にした。
後は誰かがやってくれるから。
次の誰かに任せて、僕は教室を後にした。
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