目を閉じて、横になると見えるモノがある。
グシャグシャに潰した紙の表面に写る世界だ。

暗い中で、それが一瞬だけ瞼の裏に浮かぶ。
これが見えるようになったのはかなり古くからで、少学校に上がる前ぐらいからだった。

ので、恐らく経験的なものではないと思う。

眼科の専門に聞けば何か事例とか現象として名前があるのかもしれないが、今のところ聞いてはいない。

ただ、毎晩目閉じると一瞬だけみえるのだ。

目の表面から意識を切り放し、視神経へと意識を持っていく。
そのまま奥へ奥へと意識を持っていって脳にまで意識が到達する過程で、一瞬、グシャグシャと行くのだ。
手足も同様で、意識を皮膚表面から血管内に持っていき、そこから脳へと持っていく。

手、足、、触覚が終わると次は聴覚。

そうして脳に全ての意識を持っていき、呼吸も意識するのをやめる。

脳に意識を集めたあとは、思考を止める。

ただ、五感を鈍らせて思考すら停め、暗闇に意識を落としていく。


そこに無が有る。


逆に、五感全てに意識を回し、そうすることで視界は真っ白に染まり、意識も白くなる。

思考はそのさいにも停まっている。

ただ、今度は世界が引き伸ばされて、途端に自分が小さくなるのを感じる。

先程の暗闇で自分が拡がって行くのとは逆に。





そして、眠りにつく。



グシャグシャ。
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